愛しているから 好きにしろ

 「……ごめんなさい。これからはちゃんと気をつけます。」

 「……いや、わかった。もう、考えを変えることにする。榊がいなかったらどうなってた?考えるだけで、死にそうだ。危機管理能力とはこういうときのためにある。お前については、考えを変えることにした。」
 
 え?やな予感しかしないんですけど。
 
 「野放しは終わり。俺の元に来てもらう。」
 
 え?何ですって?

 「……まあ、それについては後で二人でゆーっくり相談してくれよ。それよりさ、平野さん。君、俺の会社に来る気ない?」

 「……え?」
 

 目の前に名刺が置かれる。
 『サカキライターズ(株) 代表 榊 龍史』

 え?この会社、結構フード関係の記事や、それだけじゃない、芸能や各種イベント関係など幅広いジャンルで有名だ。

 中堅から大手の会社だよね。今話題の。

 私がすごく気にしていた会社のひとつ。

 榊さんの記事が特にいいの。まさか、榊さんがあの……代表?うそ。


 「一応ね、入社試験はキチンとしていて、基本コネとかは採らない。だから、君のことも達也から聞いてはいたけど、実力がなければ採用はしないんだ。君の記事は見てるけど、最近上達したし、とても将来性を感じさせる何かがある。よかったらウチへ入社しませんか?」

 
 
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