愛しているから 好きにしろ
溺愛
私の部屋にふたりで帰ってきた。
玄関を入ると、すぐに抱きしめられてた。
いつの間にか靴を取られ、足が浮いている。
荷物のように担がれて運ばれていく。
「おろして!……ねえ、先輩話しましょう。」
「……。」
寝室に入り、ベッドにドスンと下ろすと、すごい勢いで服を剥いでいく。
「……あ、ね、まずは私の話を聞いて下さい。」
「……。」
身体を彼の手がせわしなく動いてる。
「……や、だめです。」
「……。」
首筋をチリッとした痛みが通り過ぎ、唇が覆われた。
「あ……ん……。」
「こっちが先だ。」
気づくと、あちこちをきつく吸われて痛い。
どんなときもおしゃべりな先輩が、何も言わないで嵐のように私を翻弄する。
まるで、鷹に食べられる子リスみたい。
長い時間をかけて、食べられるとぐったりとしてしまった。
でも、いけない。お話ししなくちゃ。
いつもなら、寝落ちしているところだが、今日の私は違う。
彼に抱きしめられた形で寝ていたが、シーツを持って身体を起こす。
「……どうした?まだそんな元気なら……」
「だ・か・ら。そっちが先って言うから待ってました。終わったからいいでしょ?」
「……お前。終わったからって……おい。」
「あのね、先輩。私、榊さんの記事前から好きだったの。今日誘って頂いてすごく嬉しかった。最近の中では一番興奮した。」
「!……お前正直なのはいいが、俺の気持ちとか考えたことってあるか?」
「え?先輩のこと?いつも、夜になると考えてるよ。毎日必ず連絡するでしょ。」
「……。そうじゃなくて……はあ。」
「それでですね。どうしたって、転職したいんです。よろしくお願いします。もちろん先輩のことは、プライベートではこれからも一番大切です。それは絶対だから、自信持っていてください。で、お仕事の方は、やっと面白くなってきたところなの。そこで、榊さんのところに行けるなんて、夢みたい。ていうか、夢叶うって感じです。」