愛しているから 好きにしろ
「えと……土曜日空いてるし、いいよ。どしたの突然」
綺麗な顔の晴人。今までもちょっとは意識してたから、ドキドキする。
晴人がそういう素振りを見せてくれたことがなかったし、疑われても即否定してるのを見てきたから考えない様にしていたし。
「いや、奈由のこともっと知りたいし、もっと側にいてやらないと心配で……」
目を反らしながら、ゆっくり話す。こんな晴人初めて見た。
……心臓がばくばくする。
「私も晴人のこともっと知りたいし、側にいるけどでも、友達だから……」
晴人が意を決したように目を合わせ、言った。
「友達よりも近い距離に居たいと思うようになったんだ」
嘘みたい。それって……。
「晴人……私のこと、友達以上にして、その先は……」
「明後日ゆっくり話す。ここじゃなくて。いいだろ?お前も考えて来てくれ」
時計を指差す晴人を見て、時間まで10分しかないことにようやく気づいた。