愛しているから 好きにしろ
 
 「少子化で給食業界も変化してきています。それに対し、介護の需要が増え、介護施設向けの給食も必要となり、高齢者向けのメニューの開発や提供が急がれております。それで当グループとしましては……」

 なるほど、なるほど。
 高齢者も食べやすい食品や料理ね。おじいさまも喜びそうだわ。
 
 プレス発表は時間通りに終わり、先輩は関係者と一緒に退席した。

 私は、その後のパーティに移動する。

 このホテルの上の階にある大広間でのパーティー。

 移動中に飯田さんを見つけた。
 ひえー、変装していてよかった。
 まさか、そんなときのために役立つとは。思いもよらなかった。

 飯田さん、少し痩せたかも。
 私の代わりに自分で取材に行くなら痩せるよね。
 この間、元の会社の記事を見かけたけど、相変わらずだったな。

 パーティー会場に入ると、一番奥の壇上におじいさまが椅子に座っている。
 いつもの通り着物姿。杖を持っている。
 周りの人がペコペコしている。

 段をおりたところに最初の丸テーブルがあり、社長らしき人が奥様と立っている。
 二人で何か話してる。

 その少し先に先輩がいるんだけど。
 隣には長い黒髪の女性。
 美人だ。顔を上げて先輩を見ながら話してる。
 先輩も彼女をにこやかに見ながら話をしてる。

 ん。チリチリする。胸のところ。

 すると、また先輩の左隣に、別なドレス姿の女性と男性が現れた。
 彼女達と向き合って挨拶する先輩。
 どうやら彼女を先輩に紹介しているみたい。
 この女性も綺麗。

 ドレスと同じ色のヘアアクセサリーで髪を綺麗に結っている。
 うなじがまぶしいよ。

 

 
 
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