愛しているから 好きにしろ
一緒にいた男性がひとりいなくなって、先輩が彼女の背中を押しながらエスコート。
テーブルのうえの料理を取ってあげてる。
にこにこしてる。
胸が痛い。私、何してるんだろ。だめじゃん。
関係者にインタビューに来たのに。
早速、会社担当課長らしき人にインタビューに行く。
榊の会社名を言って、聞きたいことをまとめて聞いていく。
また、取引先のフード関係の会社の人にもインタビュー。
ミツハシの戦略をどう思うかなど、色々インタビュー。
先輩の名前も出てくる。本当に出来る人なんだな。
ミツハシのライバルグループの人が言う。
「そう言えば、さっき大臣のお嬢さん紹介されてましたよね、三橋取締役。お嬢さんが以前パーティーで三橋取締役に一目惚れしていて大臣に紹介するよう頼んでいたらしいですよ。うちの取締役もそこそこ美男子なんだけど、なあ。大臣のお嬢さんをゲット出来ると大分業界をリードできそうだし。ウチの取締役にも頑張ってもらいたいもんだ。」
さっきの髪を結っていた美人のこと?そうか。そうだよね。
先輩はそろそろ結婚適齢期。
降るほどのお見合い話や紹介があるっておじいさまも言っていた。
おばあさまはそんなのは達也が決めることよとおっしゃっていたけど、そうもいかないよね、きっと。
私、先輩のことよく考えていなかったかもしれない。
こういうことか。俺の気持ち考えたことがあるかって聞いてたよね。
先輩の方を見ると、また違う女の人が腕に手を置いて話しかけている。
先輩笑ってる。その人にシャンパングラスを取ってあげてる。