乳がん一年生

治療方針決定

予定より少し早く、提出から2週間ほどでオンコタイプの結果が戻ってきました。
再発スコアは20……いわゆるグレーゾーン『化学療法の効果を否めない』という部類に入っておりました。
患者としては一番悩む判定だったわけですが、その後見せられたデータで腹を括ることになりました。
それは、私が分類されるスコアの人を更に閉経前と後に分け、その人たちが化学療法をした場合としなかった場合の再発率を示したグラフでした。
閉経後だとほぼ再発率は変わらないのですが、閉経前だとグラフ上はかなり差がでてきていたのです。
医者の話だと、前回の診察で説明のあった『11%』が『5.8%』にまで下がってくるとのこと。
先生の配慮により、一旦診察室を離れて、一緒に来ていた母とがん支援センターの看護師の方と3人で別室で少し話す時間を作ってもらいました。
別室に行く道のりで、私の気持ちは化学療法を受けたほうがいいのではないかという方に傾いていました。
もちろん副作用はキツイし、職場の人にも迷惑はかかるし、本来ならば受けたくはありません。
でも、今の年齢を考えると親を看取らずに一生を終えるのは後悔するし、もし再発したときに「あの時受けていれば再発しなかったのかな」って思うより「あれだけ頑張っても再発してしまったのなら仕方ないな」と思いたいなと思ったのです。
しかし、母は私のことを思ってしばらく悩んでいました。
元々胸を全摘出するとなったときにも私以上に動揺していた母なので、治療が大変だったり、脱毛で見かけが変わってしまう娘を見るのがかわいそうで辛いというのです。
最後には看護師さんに色々話を聞いてもらって納得してくれたのか、「見てる方も辛いと思うけど、頑張るから応援してくれる?」と伝えると、母も頷いてくれたため、再び診察室へ戻り、今後のスケジュールを確認することになりました。
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