囚われのシンデレラーafter storyー
「……あずさ」
邪魔なもの全部剥ぎ取って、その肌に触れて。
触れる度に現れるあずさの反応を一つ漏らさずこの目に焼き付ける。
「俺に、どんな風に触れられて、どんな風に抱かれたか、ちゃんと覚えてる?」
「……ん。覚えて、ます。全部」
長い髪がシーツに広がって、あずさが身体を捩らせるたびに波打つ。
「忘れたり、しません」
あずさの漏らす甘い声が、身体に隠し持つ欲を引っ張り出して。いつもは使うことのない感情を全部あずさに解放する。
「あずさ。会いに来てくれて、ありがとう」
あずさが、ふるふると頭を振りながら、悶えるように眉をしかめた。その表情がまた俺を昂ぶらせて。
「嬉しくて、どうにかなりそうだ」
柔らかな膨らみをこの手で覆い、指を深く沈み込ませる。その度に包み込まれるみたいに飲み込んで、色めいた吐息が零れる。
たった一か月半。
ただそれだけの時間触れていなかっただけなのに。狂おしいほどに求めてしまう。
その愛しい人の身体が、鉄の鎧を簡単に溶かして、ただの男にしてしまう。
「……あぁっ」
熱く濡れたあずさの中は激しくうねり締め付けて、無性に泣きたくなるほどの快感を与える。
ずっとこの中にいられたら、ずっと繋がっていられたら――。
そう思うと何故か切なくなった。
あずさの表情を見てあずさの呼吸を感じながら、腰の動きを強めて行く。
あずさの求めていることを見逃したくなくて、身体全部であずさを感じる。
「佳孝さん、ダメ――。それ、だめなの」
「ダメ? 本当に?」
あずさが自分の脚を力いっぱい俺の腰に巻き付けてくる。
「本当は、もっと奥まで欲しいんじゃないのか?」
その腰を掴み、より奥へと打ち付けた。
「――あぁぁっ!」
あずさの背を弓なりに反らせ、声を上げて。
白い肌が汗ばんで、妖艶に揺れる。
世界に一人だけ。
俺をどこまでも欲情させる。
一人で夜を耐えた寝室が、甘く熱い吐息で充満して。夜が明けるまでその身体を貪り続けた。