囚われのシンデレラーafter storyー
「あずさ……っ」
唇を激しく重ね合いながら、急くようにお互いがお互いの身体をきつく掴む。
覚えている唇。
覚えている手のひら、覚えている長い指――。
一刻も早く、この身体全部で確かめたい。
服の上から触れられているのがもどかしい。
早く、触れたい、触れられたい――。
そう、気ばかり逸るのに、唇を離すのも嫌で。着ているものを開いていくのに手間取る。
衣擦れの音と、舌を絡ませる濡れた音が混じり合う。
荒っぽく私の身体をまさぐる西園寺さんの手がそのまま私の肩を掴み、ベッドへと押し倒した。
「あずさ――」
私を見下ろす西園寺さんを見上げる。
その顔を見つめるだけで、胸が甘く疼く。
「ずっと……、毎日毎日、夢に見た。あずさを抱く夢を、毎日。
でも、目が覚めるたびに苦しくなった。あずさの全部、この手が何もかもを覚えているのに、あずさだけがいなくて、気が狂いそうになった――」
しかめた眉がその表情を切なげに歪めて。
何かを堪えるように、強張った手で私の頬に触れた。
西園寺さんは、いつもそうだった。その優しさが、私を甘く幸せな気持ちで一杯にしてくれた。
私が望むものは、ただ一つだ。
「私も……」
腕を西園寺さんに手を伸ばす。
「西園寺さんと抱き合いたい。私も、一刻も早く一つになって、西園寺さんがここにいるって、感じたい……っ」
もう、どうにかなりそうなのだ。
早く、奥深くまで、触れ合いたい――。
「あずさの望みがそれなら、もう遠慮はしない。……いいな?」
その瞳にこもる熱を、少しも残らず私にぶつけて。
耐えに耐えていた糸が、限界を超えて切れてしまったみたいに。
留めるものをすべて投げ捨て、激しく互いの身体を求める。