囚われのシンデレラーafter storyー
2.あずさの可愛さは俺を崩壊させる
*佳孝*
「とりあえず、服、着てきます」
「そのままで、いいよ」
「で、でも……っ」
「早く見たいんだ」
せっかく脱がしたものを、そんなにすぐに着せてたまるか。
「ベッドから出るのが恥ずかしいなら、俺が取って来てやろう」
明らかに存在感のある紙袋が既に視界に入っている。
「えっ、い、いいです。自分で取りに行きます!」
何を慌てたのか、あずさが厳重に毛布を身体に巻き付けて、それを取って来た。
そろりとベッドに戻って来たあずさを素早く自分の腕に引き入れる。
「じゃあ、さっそく。小学生のあずさを見せてくれ」
絶対に愛らしいに決まっている。
剥き出しの肩を俺の腕で覆いながら、そのアルバムを開く。
皆が思い思いの服で写真に写っている。
無邪気な姿に、子供らしさを感じた。
「さて、あずさはどこにいるんだ?」
「……本当に笑わないでくださいね。ただの子供ですから」
「そりゃあ子供だろ? そんなこと分かっているさ」
ページをめくるあずさの手がどことなく重い。
何をそんなに躊躇っているのか。
「ホントに、酷いんで……」
「あずさが酷いはずがない」
「いや、謙遜でもなんでもないんですよ。ほんとに――」
俺が知らないあずさ。
過去のあずさがここにいる。