囚われのシンデレラーafter storyー
熱い手のひらが私のワンピースの胸元を広げ、
私は西園寺さんのネイビーのシャツのボタンに手をかける。ボタンを外したそばから、ぎこちない手で、胸元のシャツをはだけさせた。
私を見る欲情した目、はだけたシャツの間から見える胸元――。
男性らしい直線を描く鎖骨と影を作る窪みにさえ、色気が溢れていて。
そんな西園寺さんを見ただけで、これからされることを期待して私の身体の中心が疼き始めている。
そんな自分が信じられない。
恥ずかしくてたまらないのに――。
「……あぁっ」
その唇が私の露わになった肌に触れた瞬間に、声を上げてしまう。
「あずさの肌だ。あの日、抱きまくった、あずさの身体――」
胸元から中心を滑るようにして落ちて行く、熱く濡れた舌の感触に身体のどこもかしこもゾクゾクとして背中が反り返る。
「あの時、会えなくなると分かっていたのに、あずさの身体が俺を覚え続けるようにって、願ったんだ」
「んん……っ――」
西園寺さんの手のひらが浮いた背中に入り込み、私の胸に唇を這わせる。
「いつまでも、忘れないように――それが、あずさを苦しめるとしても」
激しくされた次には囁かれて。
絶え間なく押し寄せる快感に、ただ頭を横に振るだけだ。
「どうしようもないくらい、自分勝手で酷い男だ」
「ひどく、ない……っ。私が、覚えていたかったから。一生、ずっと――」
私も、強く願ったのだ。
「西園寺さんの跡、消えないでって。消えて、ほしくなかった……っ」
「あずさ――」
西園寺さんから苦しげに声が漏れたかと思うと、きつく私の身体を抱き上げた。