囚われのシンデレラーafter storyー
「……あぁ――っ」
西園寺さんしか知らない場所に、硬く熱を帯びたものがゆっくりと入って来る。
もっと、もっとと、その熱を感じたくていやらしく引き入れようとするのが分かる。
びくびくと身体が痺れて身体全部が悦んで。悲鳴のような声を上げた。
「あずさ――痛く、ないか……?」
張り詰めて埋めつくしているというのに、その眉を切なげに歪めながら私を気遣う。
「大丈夫、です。きもちよくて、幸せです」
気持ちよさと嬉しさと幸せと。
訳が分からなくなるほどに、私の感情を昂ぶらせる。
気持ちよくて幸せなのに、涙が溢れる。
焦がれて焦がれて、苦しい夜を何度も超えて来た。
どれだけ寂しくても、触れることも見つめることも出来なかった。
その人が、誰より一番近くにいる――。
「俺もだ。幸せ過ぎて、どうにかなりそうだ」
シーツの上の手のひらを、西園寺さんがぎゅっと握りしめてくれる。
「……泣いてるの?」
色気を放出したしかめた表情なのに、その目から透明なしずくが落ちて来た。
思わず手を西園寺さんの顔に伸ばすと、その手を取られ唇へと引き寄せられる。
「ダメだな、堪えられない」
「西園寺さん……」
胸が締め付けられて仕方ない。
大切なものを扱うように、私の手の甲に口付けてくれる姿に、また涙が溢れる。