【改訂版】かあさんの歌〜母子恋愛
第６話
時は、８月２日の朝８時ごろであった。
ところ変わって、ＪＲ松山駅の１番乗り場にて…
アタシは、ゆうとさんが到着する時を待っていた。
ゆうとさんは、高松駅を朝６時17分頃に発車した特急いしづち103号に乗って松山駅へ向かっていた。
アタシは、オレンジ色のキャミソールの上から白のブラウスをはおって、下はボブソンのジーンズをはいている姿で、白のトートバッグを持っていた。
朝８時40分頃に、ゆうとさんが乗っている特急いしづち103号が松山駅の１番乗り場に到着した。
ゆうとさんは、カラフルなTシャツにえんじ色のパンツ姿で列車から降りた。
「お待たせ。」
「ゆうとさーん、こっちこっち。こっちよ。」
アタシは、ゆうとさんに大きく手をふって合図した。
ふたりが合流した後、伊予市行きの各駅停車の電車に乗り継いで、伊予市へ向かった。
ＪＲ伊予市駅で電車を降りたふたりは、うでをくんで五色姫の海浜公園の海水浴へ向かった。
ところ変わって、五色姫の海浜公園の海水浴場にて…
海水浴場に到着した後、アタシはゆうとさんに『水着に着替えてくるから待っていてね。』と言うた後、お着替えの部屋に入った。
それから数分後であった。
サーフパンツ姿のゆうとさんは、まだかなまだかなとじれったそうな表情でアタシを待っていた。
「ゆうと、お待たせ。」
アタシは、ゆうとさんのオキニのヒラヒラがついているスカートの花柄もようのビキニの水着を着ていた。
ゆうとさんは、アタシの水着姿を見てコーフンしていた。
「あら、どうしたの？」
「きれいだね。」
「わぁ〜うれしいわ。ありがとう…」
ところ変わって、浜辺にて…
アタシとゆうとさんは、無邪気な表情で水のかけあいっこをした…
「キャッ、もうゆうとたらお返しよ。」
ふたりは、無邪気な表情で水遊びを楽しんだ。
午後１時頃であった。
アタシとゆうとさんは、海をながめながら売店で買ったホットドッグと爽健美茶《そうけんびちゃ》でランチを摂っていた。
ゆうとさんが気になったアタシは、ゆうとさんにアレコレと聞いてみた。
「ねえゆうと。」
「けいこさん。」
「この前、一緒にデートした時…ゆうとは…アタシに『ダンナと離婚してほしい…』と言うたね。」
「ええ。」
「ゆうとは、本気でアタシと結婚する気なの？」
ゆうとさんは、真剣な表情で私に言うた。
「ぼくは…本気だよ…けいこさん…いえ…けいこ…」
この時、ゆうとさんはアタシを呼びずてで呼んだ。
ゆうとさん…
なんでアタシを呼びずてで呼んだの？
アタシは、やや不安な表情でゆうとに言うた。
（ここから、呼びずて表記に変えます）
「ねえ、ゆうと。」
「なあに…けいこ。」
「アタシ…気になる部分があったから話すけど…ゆうとは男前でハンサムだから…ゆうとにふさわしいお相手は…探せばまだたくさんいるのじゃないかと…思うけど…」
ゆうとは、紙コップに入っている爽健美茶《そうけんびちゃ》をひとくちのんだあと、アタシに言うた。
「ぼくは…けいこと結婚すると訣心《けっしん》したのです…」
アタシは、やや不安な表情でゆうとに言うた。
「気持ちはうれしいけど…」
「ぼくは本気だよ!!」
ゆうとは、ひと間隔おいてからアタシにこう言うた。
「話を変えますが…ぼくの幼なじみのコが…再来週のお盆の土曜日に…高松のクレメント(ホテル)で挙式披露宴を挙げるのです…ぼくは…結婚披露宴の…司会を頼まれました。」
「おさななじみの女の子から、結婚披露宴の司会を頼まれたのね。」
「はい。」
ゆうとは、アタシに幼なじみの女の子から結婚披露宴の司会を頼まれたことを話した。
もしかしたら…
ゆうとは…
幼なじみの女の子にふられたからアタシと結婚したいと言うているのではないか…
アタシは、ものすごく気になったのでゆうとに聞いてみた。
「ゆうと…ゆうとは…おさななじみの女の子のことが…気になるの？」
「えっ？気になるって…」
「幼なじみの女のコのこと…今でも好きなの？」
「ええ…ですが、お友だちとして好きです。」
「幼なじみの女のコの名前は？」
「ひろみ。」
「ひろみちゃんね…ひろみちゃんの結婚相手は、どんな人？」
「３高の商社マンの男性です…３か月前に、クレメントホテルでのブライダルフェアについてきてほしいと言われたので…一緒についてゆきました…披露宴の司会を頼まれたのは…その時でした。」
「そうだったのね…だけど…ひろみちゃんはおかしいわよ…普通は婚約者の人と一緒にフェアーに行くのに…ゆうとにピンチヒッターを頼むこと自体がおかしいわよ。」
「婚約者の人は…マレーシアに長期出張中で日本にいないのです。」
「それで、ゆうとがピンチヒッターでついて行ったと言うことね。」
「はい。」
アタシは、ひと間隔を空けてゆうとに言うた。
「あのね…ゆうとに話があるの。」
「話がある？」
「アタシ…ダンナと離婚するの…」
「リコン…ほんとうに離婚するのですか？」
「そうよ…理由はダンナにあきた…ただそれだけのことよ。」
「ダンナにあきた？」
「そうよ…アタシは始めからダンナと結婚するつもりは全くなかった…昔、務めていた店のママの言いなりになってものすごくきらいな人と結婚したから大失敗したわ…ダンナとリコンしてもつらくもないし悲しくもないわよ…アタシはせいせいしたと思っているわよ。」
「せいせいした…」
「ええ、そうよ。」
アタシは、紙コップに入っている爽健美茶《そうけんびちゃ》をひとくちのんでから、ゆうとに言うた。
「ダンナもアタシにこう言うたわ…『こうなるのであれば、始めから結婚なんかしない方がよかった…』…もういいのよ…ダンナはつまらん男で、ろくな稼ぎもない…そんなつまらん男と結婚生活を続けて行くのがしんどいから離婚するのよ…ダンナが『やり直したい…』と言うても、アタシはダンコ拒否するわよ!!」
ダンナの悪口を言いまくったアタシは、それから数秒後にゆうとに今の気持ちを伝えた。
「アタシ…ゆうととサイコンする…アタシも…訣心《けっしん》した。」
「けいこ。」
「アタシ…宇多津の海浜公園でゆうとと出会った日のことを今でもはっきりとおぼえているわ…出会った瞬間から…ゆうとが好きになった…あの日の夜…（ラブボの）ベッドの上でゆうとがアタシに『かあさん…』と言いながら甘えていたのを見た時…アタシ…」
言えない…
そこから先が…
うまく言えない…
アタシは、ひどくとまどっていた。
アタシは…
ゆうとにアタシの想いを伝えようとしているのに…
うまく伝えることが…
できない…
そんな時であった。
「けいこ。」
「ゆうと。」
ゆうとがアタシに声をかけた。
はっとわれに返ったアタシは、ゆうとが言うた言葉を聞いた。
「かあさんと…よんでいいですか？」
「ゆうと。」
「ぼく…母親に甘えた記憶が…ないのです。」
ゆうとは、アタシに思いの丈を打ち明けた。
「ぼくは…生まれてすぐに…乳児院に引き取られた…その後、円座《えんざ》に住んでいる夫婦の家に引き取られた…ぼくは…本当の母親が誰なのかを知らずに生きてきた…だから…」
「それで…アタシのことをかあさんと呼んだのね。」
「はい。」
ゆうとは、アタシに今の気持ちと思いの丈を全て打ち明けた。
（ザザーン、ザザーン、ザザーン、ザザーン…）
時は、夕方４時過ぎであった。
アタシとゆうとは、手をつないで夕暮れの浜辺をゆっくりと歩いた。
この時、海水浴客たちは次々と帰宅の準備を始めた。
サーフパンツ姿のゆうととオキニのビキニの上から白のＴシャツを着ているアタシは、ひとことも語らずに夕暮れの浜辺を歩いた。
それから40分後であった。
アタシとゆうとは、桟敷席に座って夕暮れの海をながめていた。
この時、ゆうとはアタシをギュッと抱きしめた。
「かあさん…」
アタシを両手でギュッと抱きしめたゆうとは、はげしいキスでくちびるをおさえつけた。
「んんん…」
ゆうとは、アタシにはげしいキスをしたあと『かあさん…好きだよ…』と言うた。
「ああ…」
このあと、ゆうとはアタシが着ている白のＴシャツを脱がした。
間を置かずに、ゆうとはＴシャツの下に着ていた水着を脱がして全裸《はだか》にした。
ダメ…
ゆうと…
恥ずかしい…
だけど…
身体《からだ》が言うことを聞かない…
ああああああああああ…
もう…
ダメ…
このあと、ゆうとはアタシの身体《からだ》を激しくむさぼった。
その時であった。
アタシの中に抑え込まれていたゆうと(アタシの赤ちゃん)への想いが一気にあふれ出た。
その日の夜おそく頃であった。
ところ変わって、松前町《まさき》の国道56号線沿いにあるラブホにて…
全裸《はだか》になっているふたりは、ベッドの上で激しく求めあった。
「かあさん、かあさん…」
「ああ…よしよし…よしよし…よしよし。」
アタシは、甘い吐息をもらしながら終始受け身になってゆうとに抱かれた。
次の日の朝のことであった。
アタシとゆうとは、ＪＲ松山駅にいた。
ゆうとは、高松行きの特急列車に乗って親きょうだいがいる家に帰る…
アタシは、迎えてくださる家族がいない…
ゆうとは、別れ際にアタシに言うた。
「かあさん。」
「なあに？」
「次は、いつ会える？」
「そうね…また会いたくなったら…またメールしてね。」
ゆうとはアタシに『またかあさんに会いに来るからね。』と言うたあと、特急列車《れっしゃ》に乗り込んだ。
そして、ゆうとを乗せた特急列車《れっしゃ》は、定刻通りに松山駅を出発した。
ゆうとを送ったあと、アタシは乳房《むね》の奥がしめつけられる気持ちでいっぱいになった。
もしかしたら…
ゆうとは…
アタシが24年前に産んだ赤ちゃん…
だとしたら…
この時、アタシの気持ちがひどく動揺《どうよう》した。
その翌日のことであった。
アタシは、松山市内にある乳児院に行った。
アタシは、職員の女性に産んだ赤ちゃんの資料があるかどうかを職員にたのんだあと資料をエツランした。
今から24年前、アタシが美沢町《みさわまち》の病院で赤ちゃんを出産した。
アタシが産んだ赤ちゃんがその後どうなったを知るために資料を見た。
すると…
アタシが産んだ赤ちゃんは、ゆうとが言うた通りに高松市円座町《たかまつえんざちょう》に住んでいる夫婦の家に引き取られた。
それを知ったアタシは、より激しい動揺に襲われた。
それじゃあ…
ゆうとは…
24年前にアタシが産んだ赤ちゃんだった…
ウソでしょ…
自分が苦しんだ末に出産をした赤ちゃんがゆうとであることを知った時、アタシはより激しい衝撃《インパクト》を喰らった。
アタシを愛したカレは…
アタシが24年前に産んだ赤ちゃんだった…
ウソよ…
そんなのウソよ…
なにかのまちがいよ…
ゆうとがアタシの実の子供《むすこ》であることを知らずに肉体関係《かんけい》を持った…
取り返しのつかないあやまちを犯した…
だけど、アタシはゆうとをひとりの男として強く意識している…
ゆうともまた、アタシが実の母親《ママ》であるがアタシをオンナとして強く意識している…
ゆうとがアタシの実の子供《むすこ》であると言うことは、分かっているわよ…
だけど、肉体関係《かんけい》を持ってしまったから後戻りはできない…
好き…
だーーーーーーーーいすき!!
けいこ…
ゆうとじゃないとイヤ!!
ゆうととサイコンすると硬《かた》く訣《き》めたもん!!
実の子供《むすこ》だって…
ひとりの男よ…
周囲《まわり》がなにを言おうと…
アタシは、ゆうととサイコンするワ!!
アタシは、ゆうとへの想いをさらに高めた。
ゆうととアタシは、地獄へ墜《お》ちることを選んだ。
物語の最初の幕は、ひとまず下りた。
ところ変わって、ＪＲ松山駅の１番乗り場にて…
アタシは、ゆうとさんが到着する時を待っていた。
ゆうとさんは、高松駅を朝６時17分頃に発車した特急いしづち103号に乗って松山駅へ向かっていた。
アタシは、オレンジ色のキャミソールの上から白のブラウスをはおって、下はボブソンのジーンズをはいている姿で、白のトートバッグを持っていた。
朝８時40分頃に、ゆうとさんが乗っている特急いしづち103号が松山駅の１番乗り場に到着した。
ゆうとさんは、カラフルなTシャツにえんじ色のパンツ姿で列車から降りた。
「お待たせ。」
「ゆうとさーん、こっちこっち。こっちよ。」
アタシは、ゆうとさんに大きく手をふって合図した。
ふたりが合流した後、伊予市行きの各駅停車の電車に乗り継いで、伊予市へ向かった。
ＪＲ伊予市駅で電車を降りたふたりは、うでをくんで五色姫の海浜公園の海水浴へ向かった。
ところ変わって、五色姫の海浜公園の海水浴場にて…
海水浴場に到着した後、アタシはゆうとさんに『水着に着替えてくるから待っていてね。』と言うた後、お着替えの部屋に入った。
それから数分後であった。
サーフパンツ姿のゆうとさんは、まだかなまだかなとじれったそうな表情でアタシを待っていた。
「ゆうと、お待たせ。」
アタシは、ゆうとさんのオキニのヒラヒラがついているスカートの花柄もようのビキニの水着を着ていた。
ゆうとさんは、アタシの水着姿を見てコーフンしていた。
「あら、どうしたの？」
「きれいだね。」
「わぁ〜うれしいわ。ありがとう…」
ところ変わって、浜辺にて…
アタシとゆうとさんは、無邪気な表情で水のかけあいっこをした…
「キャッ、もうゆうとたらお返しよ。」
ふたりは、無邪気な表情で水遊びを楽しんだ。
午後１時頃であった。
アタシとゆうとさんは、海をながめながら売店で買ったホットドッグと爽健美茶《そうけんびちゃ》でランチを摂っていた。
ゆうとさんが気になったアタシは、ゆうとさんにアレコレと聞いてみた。
「ねえゆうと。」
「けいこさん。」
「この前、一緒にデートした時…ゆうとは…アタシに『ダンナと離婚してほしい…』と言うたね。」
「ええ。」
「ゆうとは、本気でアタシと結婚する気なの？」
ゆうとさんは、真剣な表情で私に言うた。
「ぼくは…本気だよ…けいこさん…いえ…けいこ…」
この時、ゆうとさんはアタシを呼びずてで呼んだ。
ゆうとさん…
なんでアタシを呼びずてで呼んだの？
アタシは、やや不安な表情でゆうとに言うた。
（ここから、呼びずて表記に変えます）
「ねえ、ゆうと。」
「なあに…けいこ。」
「アタシ…気になる部分があったから話すけど…ゆうとは男前でハンサムだから…ゆうとにふさわしいお相手は…探せばまだたくさんいるのじゃないかと…思うけど…」
ゆうとは、紙コップに入っている爽健美茶《そうけんびちゃ》をひとくちのんだあと、アタシに言うた。
「ぼくは…けいこと結婚すると訣心《けっしん》したのです…」
アタシは、やや不安な表情でゆうとに言うた。
「気持ちはうれしいけど…」
「ぼくは本気だよ!!」
ゆうとは、ひと間隔おいてからアタシにこう言うた。
「話を変えますが…ぼくの幼なじみのコが…再来週のお盆の土曜日に…高松のクレメント(ホテル)で挙式披露宴を挙げるのです…ぼくは…結婚披露宴の…司会を頼まれました。」
「おさななじみの女の子から、結婚披露宴の司会を頼まれたのね。」
「はい。」
ゆうとは、アタシに幼なじみの女の子から結婚披露宴の司会を頼まれたことを話した。
もしかしたら…
ゆうとは…
幼なじみの女の子にふられたからアタシと結婚したいと言うているのではないか…
アタシは、ものすごく気になったのでゆうとに聞いてみた。
「ゆうと…ゆうとは…おさななじみの女の子のことが…気になるの？」
「えっ？気になるって…」
「幼なじみの女のコのこと…今でも好きなの？」
「ええ…ですが、お友だちとして好きです。」
「幼なじみの女のコの名前は？」
「ひろみ。」
「ひろみちゃんね…ひろみちゃんの結婚相手は、どんな人？」
「３高の商社マンの男性です…３か月前に、クレメントホテルでのブライダルフェアについてきてほしいと言われたので…一緒についてゆきました…披露宴の司会を頼まれたのは…その時でした。」
「そうだったのね…だけど…ひろみちゃんはおかしいわよ…普通は婚約者の人と一緒にフェアーに行くのに…ゆうとにピンチヒッターを頼むこと自体がおかしいわよ。」
「婚約者の人は…マレーシアに長期出張中で日本にいないのです。」
「それで、ゆうとがピンチヒッターでついて行ったと言うことね。」
「はい。」
アタシは、ひと間隔を空けてゆうとに言うた。
「あのね…ゆうとに話があるの。」
「話がある？」
「アタシ…ダンナと離婚するの…」
「リコン…ほんとうに離婚するのですか？」
「そうよ…理由はダンナにあきた…ただそれだけのことよ。」
「ダンナにあきた？」
「そうよ…アタシは始めからダンナと結婚するつもりは全くなかった…昔、務めていた店のママの言いなりになってものすごくきらいな人と結婚したから大失敗したわ…ダンナとリコンしてもつらくもないし悲しくもないわよ…アタシはせいせいしたと思っているわよ。」
「せいせいした…」
「ええ、そうよ。」
アタシは、紙コップに入っている爽健美茶《そうけんびちゃ》をひとくちのんでから、ゆうとに言うた。
「ダンナもアタシにこう言うたわ…『こうなるのであれば、始めから結婚なんかしない方がよかった…』…もういいのよ…ダンナはつまらん男で、ろくな稼ぎもない…そんなつまらん男と結婚生活を続けて行くのがしんどいから離婚するのよ…ダンナが『やり直したい…』と言うても、アタシはダンコ拒否するわよ!!」
ダンナの悪口を言いまくったアタシは、それから数秒後にゆうとに今の気持ちを伝えた。
「アタシ…ゆうととサイコンする…アタシも…訣心《けっしん》した。」
「けいこ。」
「アタシ…宇多津の海浜公園でゆうとと出会った日のことを今でもはっきりとおぼえているわ…出会った瞬間から…ゆうとが好きになった…あの日の夜…（ラブボの）ベッドの上でゆうとがアタシに『かあさん…』と言いながら甘えていたのを見た時…アタシ…」
言えない…
そこから先が…
うまく言えない…
アタシは、ひどくとまどっていた。
アタシは…
ゆうとにアタシの想いを伝えようとしているのに…
うまく伝えることが…
できない…
そんな時であった。
「けいこ。」
「ゆうと。」
ゆうとがアタシに声をかけた。
はっとわれに返ったアタシは、ゆうとが言うた言葉を聞いた。
「かあさんと…よんでいいですか？」
「ゆうと。」
「ぼく…母親に甘えた記憶が…ないのです。」
ゆうとは、アタシに思いの丈を打ち明けた。
「ぼくは…生まれてすぐに…乳児院に引き取られた…その後、円座《えんざ》に住んでいる夫婦の家に引き取られた…ぼくは…本当の母親が誰なのかを知らずに生きてきた…だから…」
「それで…アタシのことをかあさんと呼んだのね。」
「はい。」
ゆうとは、アタシに今の気持ちと思いの丈を全て打ち明けた。
（ザザーン、ザザーン、ザザーン、ザザーン…）
時は、夕方４時過ぎであった。
アタシとゆうとは、手をつないで夕暮れの浜辺をゆっくりと歩いた。
この時、海水浴客たちは次々と帰宅の準備を始めた。
サーフパンツ姿のゆうととオキニのビキニの上から白のＴシャツを着ているアタシは、ひとことも語らずに夕暮れの浜辺を歩いた。
それから40分後であった。
アタシとゆうとは、桟敷席に座って夕暮れの海をながめていた。
この時、ゆうとはアタシをギュッと抱きしめた。
「かあさん…」
アタシを両手でギュッと抱きしめたゆうとは、はげしいキスでくちびるをおさえつけた。
「んんん…」
ゆうとは、アタシにはげしいキスをしたあと『かあさん…好きだよ…』と言うた。
「ああ…」
このあと、ゆうとはアタシが着ている白のＴシャツを脱がした。
間を置かずに、ゆうとはＴシャツの下に着ていた水着を脱がして全裸《はだか》にした。
ダメ…
ゆうと…
恥ずかしい…
だけど…
身体《からだ》が言うことを聞かない…
ああああああああああ…
もう…
ダメ…
このあと、ゆうとはアタシの身体《からだ》を激しくむさぼった。
その時であった。
アタシの中に抑え込まれていたゆうと(アタシの赤ちゃん)への想いが一気にあふれ出た。
その日の夜おそく頃であった。
ところ変わって、松前町《まさき》の国道56号線沿いにあるラブホにて…
全裸《はだか》になっているふたりは、ベッドの上で激しく求めあった。
「かあさん、かあさん…」
「ああ…よしよし…よしよし…よしよし。」
アタシは、甘い吐息をもらしながら終始受け身になってゆうとに抱かれた。
次の日の朝のことであった。
アタシとゆうとは、ＪＲ松山駅にいた。
ゆうとは、高松行きの特急列車に乗って親きょうだいがいる家に帰る…
アタシは、迎えてくださる家族がいない…
ゆうとは、別れ際にアタシに言うた。
「かあさん。」
「なあに？」
「次は、いつ会える？」
「そうね…また会いたくなったら…またメールしてね。」
ゆうとはアタシに『またかあさんに会いに来るからね。』と言うたあと、特急列車《れっしゃ》に乗り込んだ。
そして、ゆうとを乗せた特急列車《れっしゃ》は、定刻通りに松山駅を出発した。
ゆうとを送ったあと、アタシは乳房《むね》の奥がしめつけられる気持ちでいっぱいになった。
もしかしたら…
ゆうとは…
アタシが24年前に産んだ赤ちゃん…
だとしたら…
この時、アタシの気持ちがひどく動揺《どうよう》した。
その翌日のことであった。
アタシは、松山市内にある乳児院に行った。
アタシは、職員の女性に産んだ赤ちゃんの資料があるかどうかを職員にたのんだあと資料をエツランした。
今から24年前、アタシが美沢町《みさわまち》の病院で赤ちゃんを出産した。
アタシが産んだ赤ちゃんがその後どうなったを知るために資料を見た。
すると…
アタシが産んだ赤ちゃんは、ゆうとが言うた通りに高松市円座町《たかまつえんざちょう》に住んでいる夫婦の家に引き取られた。
それを知ったアタシは、より激しい動揺に襲われた。
それじゃあ…
ゆうとは…
24年前にアタシが産んだ赤ちゃんだった…
ウソでしょ…
自分が苦しんだ末に出産をした赤ちゃんがゆうとであることを知った時、アタシはより激しい衝撃《インパクト》を喰らった。
アタシを愛したカレは…
アタシが24年前に産んだ赤ちゃんだった…
ウソよ…
そんなのウソよ…
なにかのまちがいよ…
ゆうとがアタシの実の子供《むすこ》であることを知らずに肉体関係《かんけい》を持った…
取り返しのつかないあやまちを犯した…
だけど、アタシはゆうとをひとりの男として強く意識している…
ゆうともまた、アタシが実の母親《ママ》であるがアタシをオンナとして強く意識している…
ゆうとがアタシの実の子供《むすこ》であると言うことは、分かっているわよ…
だけど、肉体関係《かんけい》を持ってしまったから後戻りはできない…
好き…
だーーーーーーーーいすき!!
けいこ…
ゆうとじゃないとイヤ!!
ゆうととサイコンすると硬《かた》く訣《き》めたもん!!
実の子供《むすこ》だって…
ひとりの男よ…
周囲《まわり》がなにを言おうと…
アタシは、ゆうととサイコンするワ!!
アタシは、ゆうとへの想いをさらに高めた。
ゆうととアタシは、地獄へ墜《お》ちることを選んだ。
物語の最初の幕は、ひとまず下りた。
