春の欠片が雪に降る
彼は見下ろして喉を鳴らしながら「そりゃ見るやろ」と、愉快そうに笑う。
こんな状況を何とも思っておらず、そして慣れていそうな気さえするから。
つくづくやらかしちゃったなと、頭の隅っこにいる冷静な自分は思ってた。
(ほんと……今更)
けれど、いざ始まってしまえばなんてことない。こうなることが当たり前みたいにことが進んで、段々と熱くなる身体がもっと深い快感を求めだしていることに気がついてしまう。
ほんとはさみしかったのか、飢えていたのか。
この状況を咎める理性など、どうでもよくなってきてしまう。
「そろそろ諦めてや」
ふとんを掻き抱いて隠していた胸元は、露わになって、せめてもと固く閉じた脚に指先が触れる。
つーっと撫でるような感覚がたまらなく下腹部を熱くした。
「こっちも隠さんとって。せっかく脚、綺麗やのに」