竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
01 プロローグ 竜王の卵
『ママ、みつけた!』
その幼い子供の声は、頭の中に響くように聞こえた。楽しそうにクスクス笑う声。そっとお腹に生まれたほのかな体温。そして、その温かい場所からグルグルと空気が回っているような違和感を感じて、私はそっと瞼を開けた。
「ふわぁ……、なんか変な声が聞こえたような……」
まだ眠気の残る頭でそう考えながら、ベッドから起き上がる。カーテンの隙間から見える外の景色は、快晴。私は勢いよく窓を開け、新鮮な空気を部屋に取り込み、深呼吸をした。
「ふう……今日も仕事頑張らなくちゃね」
こもっていた部屋には爽やかな風が通り抜け、透き通るような陽の光があちらこちらを輝かせている。両腕をぐっと上に伸ばし、夜の間に凝り固まった体をほぐしながら、キッチンのほうに向かっていった。
「朝ごはん、何にしようかな〜」
『ボクも食べたい!』
「…………」
突然頭に響いてきた幼い声に、ドキリと胸が跳ね上がり、足を止める。
(い、今のなに? 幻聴……?)
その突然の声にキョロキョロと辺りを見回してみるも、誰もいない。王宮から与えられたこの部屋は一人用の個室だ。しかも三階にあるので、人が話しかけられる場所ではない。そっと窓の外をのぞき見るも、やはり誰もいなかった。
その幼い子供の声は、頭の中に響くように聞こえた。楽しそうにクスクス笑う声。そっとお腹に生まれたほのかな体温。そして、その温かい場所からグルグルと空気が回っているような違和感を感じて、私はそっと瞼を開けた。
「ふわぁ……、なんか変な声が聞こえたような……」
まだ眠気の残る頭でそう考えながら、ベッドから起き上がる。カーテンの隙間から見える外の景色は、快晴。私は勢いよく窓を開け、新鮮な空気を部屋に取り込み、深呼吸をした。
「ふう……今日も仕事頑張らなくちゃね」
こもっていた部屋には爽やかな風が通り抜け、透き通るような陽の光があちらこちらを輝かせている。両腕をぐっと上に伸ばし、夜の間に凝り固まった体をほぐしながら、キッチンのほうに向かっていった。
「朝ごはん、何にしようかな〜」
『ボクも食べたい!』
「…………」
突然頭に響いてきた幼い声に、ドキリと胸が跳ね上がり、足を止める。
(い、今のなに? 幻聴……?)
その突然の声にキョロキョロと辺りを見回してみるも、誰もいない。王宮から与えられたこの部屋は一人用の個室だ。しかも三階にあるので、人が話しかけられる場所ではない。そっと窓の外をのぞき見るも、やはり誰もいなかった。