竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


『ママ? 大丈夫? 転んだの? 痛い?』
「うわ!」


 私が大声で叫んで起き上がったせいで、リディアさんが心配そうに私を見ている。しかしその間もお腹からは『ねえ、ママ、どうしたの?』と不安そうな声が耳に届いてきた。


「あ、あの、と、鳥です! 窓を開けたら鳥が入ってきて! しかもその鳥が私を襲ってきたので、すべって転んだみたいです!」

「そうなんですか?」
『そうなの?』


 私の言葉にリディアさんと、子供の声が同時に返ってきた。


(あなたは返事しなくていいんだけど……)


「とにかく気を失っていたのですから、お医者様を呼んできます。その前にベッドで横になりましょう」
「は、はい……」
『ママ〜! 僕の声にもお返事して〜!』

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