竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
私がずっと黙っていたからか、お腹の子はものすごく不安そうな声で聞いてきた。正直言って好きも嫌いもない。そこまで感情がついてきていないし、それに「好きだよ」なんて言ったら、この子は期待するんじゃないだろうか? そう思うと、また何も答えられなかった。
「あ……えっと……」
『やっぱり産みたくない? 僕、いらない子?』
「…………っ!」
(そ、そんな直球な質問は無しだよ〜)
もともと子供が大好きな私だ。その涙声に胸の奥がきゅうっと切なくなって、私まで泣きそうになってくる。早く間違ってるって伝えてあげよう。そうすれば本当に大切にしてくれるママの元に行けるだろう。私はそっとお腹をなで、なるべく優しい声を出して話しかけた。