竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜

「そういうわけじゃなくてね、あなたがお腹の中に入る人を間違えたんじゃないかなって思ってるの。だからあなたの本当のママは別の所に――」
『間違えてないよ? だって神様と決めたから』
「か、神様?」
『そう、神様がママを指差して、あの子はどう? って聞いてきたの』
「そ、そうなの?」


 日本でも不思議な話として、「空からママを見てた」と言う子をテレビで見たことはあった。しかしこの子はそのうえ、神様と一緒だったとは。でもなんで神様は異世界の私に目をつけて、しかも竜王様のお妃にしようと思ったのだろう。それにこの子もどうして……。


(もしかして、断れなかった……?)


 偉い神様に勧められて、きっと嫌だとは言えなかったのかもしれない。今からでも戻れるなら、母親が自分を拒絶する良くない人だと伝えて、ママを変えてもらえないだろうか? だってこの国で私が母親だなんて、茨の道だよ。きっと平民から生まれた子だと差別されるだろう。
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