竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
私はスリスリと慰めるようにお腹をなで、また竜王の卵に話しかけた。
「なんで私をママにしようと思ったの? 神様に言われて断れなかったのなら、もう一度……」
『だってママ、家族が欲しかったんでしょ?』
「えっ……」
『僕、ずっと見てたよ。さみしいって泣いてたでしょ? だから僕がママの家族になってあげようって決めたの!』
その思いもよらない言葉は、私の心に直接入ってきた。一気になんとも言えない感情があふれ出し、目の奥が熱くなってくる。
(どうしよう……泣きそう……)
竜王の卵である彼からは、私のことが大好きだという感情がいっぱい伝わってくる。そのあともお腹から、嬉しそうに話す声が聞こえてきて、私は止めることができない。