竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜

『ママ、子供たちと一緒に遊んでたでしょ? 僕も一緒にママと遊びたかったのに!』
『あとね、ママよく疲れて、机で寝てた! ちゃんとベッドで寝なきゃだめ〜』


 子供なんだか、お母さんなんだか、わからないようなことを言っていて、思わず笑ってしまう。しかし続けて聞こえてきた言葉に、私はお腹をなでていた手がピタリと止まった。


『だから神様と相談して、こっちにママを呼び寄せたの』
「えっ! そうなの? か、神様が? 私を?」
『うん!』


 驚く情報がずっと続くと、逆に頭が冷静になってくるみたいだ。神様が私を呼び寄せたということを聞いても、「それなら時と場所を選んでほしかった……」という愚痴しか、頭に浮かんでこない。

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