竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


(ごめんね……)


 私が心の中で謝りながらお腹をなでると、「ぐるぐる」と猫が喉を鳴らすような音が聞こえてきた。どうやら気持ちが良いらしい。『また眠くなるぅ』と呟くと、静かになってしまった。寝たのかな?


 また人の出入りがあるから、静かにしてくれるのはちょうどいい。そう思っていると、ちょうど私の朝ごはんを手にしたリディアさんが帰ってきた。しかしいつもと様子がおかしい。眉間にしわを寄せ、何か考え込んでいる顔でこちらに歩いてくる。


「どうかしたのですか?」


 その様子にあわてて起き上がると、リディアさんは心配そうな顔で私を見ながら、口を開いた。

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