竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
「先ほど、竜人貴族の女性から、リコに面会の申請が入りました」
「えっ! 面会? 私に、貴族の女性からですか?」
「はい」
それはもしかして、本格的なクレームを私に言いに来たということだろうか。するとリディアさんが「もう一つお知らせしないといけないことが」と話を続けた。どうやらこちらのほうが重要な情報らしく、ものすごく言いづらそうにしている。
嫌な予感しかない。
「その、驚かないでくださいね。実は竜人女性たちの中で、リコがすでに竜王様の妾になったという噂が立っているのです」
「えええ! 私が竜王様の妾に?」
もう最悪だ。私はリディアさんの「リコ、しっかりして」という声を聞きながら、またベッドに倒れ込んだ。