竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


「少し寝不足かもしれません。昨日はなかなか寝付けなくて……」
「そうだったのですね! 少し暗い表情だったので、体調が悪いのかと心配しました」
「ふふ。体調は万全ですわ。それより、競技会は楽しんでいらっしゃいますか?」
「はい! ちょうど誘ってくれたお礼を言おうと思っていたんです。こんな楽しい場所に、誘ってくださってありがとうございました」


 私がお礼を言うと、アビゲイル様は頬を染め「気にしなくてよろしいですのに」と笑っている。


(良かった! 寝不足だって言ってたけど、もしかしたらあの噂のことで、いろいろ動いてくれたから疲れているのかもしれないな)


 なんだか申し訳ない。もう少し落ち着いたら、私からお礼として何かできないだろうか? そんなことを考えていると、またお腹がポコンと動いた。最近の卵くんは他の人にバレない程度に動いている。どうやら私に怒られないよう、コツをつかんだみたいだ。


『ママ〜! つぎの竜がきたよ!』
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