竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
逆恨みもいいとこだ。リコに直接嫌がらせをして処分されたから、今度はリコの悪い噂を流して、まわりに攻撃してもらおうと考えたのだろう。姑息なことを。しかしこれ以上強く罰すると、またリコに何かしてくる可能性もあるな。
(とりあえずは、二人とも王宮から追い出して様子を見るか……)
「兄の処分は騎士団長に任せよう。きっと地方の騎士団に配置換えになるはずだ。妹のほうは、パーティーのリストから外して、領地に帰らせるように」
「かしこまりました」
「それにしても、王宮内でここまで勝手な行動をするとはな……」
するとシリルが二杯目のリュディカを注ぎながら、俺の疑問に答えた。