竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
(それにすごく近くで聞こえたような……)
「ね、寝ぼけちゃったかな……?」
ぼやぼやしていると朝ごはんを食べる時間が無くなってしまう。私はもう一度だけ部屋をぐるりと見回し誰もいないのを確認すると、またキッチンのほうに向かっていった。
「えっと、卵があったから……」
パンケーキでも作ろうかと食料庫を開け卵を手にした、その時だった。ポコッとお腹の辺りが内側からありえないほど動いた。
『ここ! ママ! ここだよ!』
「ひっ……!」
(また! また聞こえた!)
ゆっくりと下腹部に視線を移すと、今まで見たことがない動きでお腹がポコポコと波打っている。まるで誰かが内側から押しているような動きで、思わず私は手にしていた卵を落とした。
カシャッと卵が床で割れた音がしたが、自分のお腹から目を離せない。私はぼうぜんと立ち尽くし、震える手を抑え込むように胸元に引き寄せた。それでもその子供の声は、容赦なく私の頭に響き続ける。
『ママったら! おどろいてないで、早くパパに会いに行ってよ! それでボクを産んで!』
「ね、寝ぼけちゃったかな……?」
ぼやぼやしていると朝ごはんを食べる時間が無くなってしまう。私はもう一度だけ部屋をぐるりと見回し誰もいないのを確認すると、またキッチンのほうに向かっていった。
「えっと、卵があったから……」
パンケーキでも作ろうかと食料庫を開け卵を手にした、その時だった。ポコッとお腹の辺りが内側からありえないほど動いた。
『ここ! ママ! ここだよ!』
「ひっ……!」
(また! また聞こえた!)
ゆっくりと下腹部に視線を移すと、今まで見たことがない動きでお腹がポコポコと波打っている。まるで誰かが内側から押しているような動きで、思わず私は手にしていた卵を落とした。
カシャッと卵が床で割れた音がしたが、自分のお腹から目を離せない。私はぼうぜんと立ち尽くし、震える手を抑え込むように胸元に引き寄せた。それでもその子供の声は、容赦なく私の頭に響き続ける。
『ママったら! おどろいてないで、早くパパに会いに行ってよ! それでボクを産んで!』