竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
竜王様の言葉にあせった私は、あわてて立ち上がろうとする。しかしその瞬間、足に痛みが走り、尻もちをついてしまった。
『ねえ、君、足に深い切り傷があるよ。治療してあげるから、じっとしててね』
誰かわからないけど、このズキズキ痛む傷を治してくれるみたいだ。言われたとおりじっとしていると、その人(動物?)はペロペロと私の足を舐め始めた。
「きゃあ! 待って待って! あははは! くすぐったいから、舐めないで〜!」
傷は足首あたりにあったらしく、舐められるとものすごく、くすぐったかった。そのあまりのむず痒さに、さっきまでぼうっとしてた頭もはっきりしてくる。私は眠りから覚めたような気分で、目を開け辺りを見回した。