竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


 すると目の前にいたのは、二頭の竜だった。一頭は私をキラキラした目で見ていて、もう一頭は心配そうに見ている。


「へ? りゅ、竜?」


 突然現れた竜たちに、また頭が回らなくなる。二頭は私にピッタリ寄り添っていて、まわりが見えない。仕方なく上を見ると、天井が爆発したかのように壊れていて、よけい混乱するはめになった。


(そういえば、さっき夢で竜王様の声が聞こえた気がしたけど。何か怒っていたような……?)


 どうもさっきから記憶が曖昧で、夢の続きを見ているみたいだ。すると、ものすごく近くで私の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。


「リコ! リコなのか!」
「えっ? この声は竜王様? 本物? あれ……? そういえば私、何してたんだっけ……? それに、ここどこ?」
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