竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
(当然よね。私だって日本にいて、いきなり犬と会話できますよって誰かに言われても、すぐには信じられないもの……)
しかしそれならどうやって証明しようか? なにかいいアイデアはないかな? そう悩んでいると、私に甘えているキールという名の竜が、ある提案をしてきた。
『それなら、僕と相棒しか知らない秘密を、バラしちゃえばいいよ!』
「相棒の秘密をバラす?」
『おまえ……けっこうひどいな』
秘密をバラすとはちょっと不穏じゃないかな? そう私が戸惑っていると、もう一頭のヒューゴという名の竜も呆れたようにため息を吐いていた。しかしキールの言葉に一番反応したのは、騎士たちだ。
「相棒の秘密って、俺たち竜騎士の秘密か?」
「あの竜は、キールだろう? じゃあ、相棒ならゲイリーだな」
「えええ! お、俺の秘密をバラすってキールが言ったのか? その前にあいつ正気に戻ってるのか?」