竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
一気に騎士たちの顔色が変わり、ざわつき始めた。なにか後ろ暗いことでもあるのだろうか? すると一人の体格の良い騎士が前に出てきて、騒いでいる仲間たちを叱り始めた。
「おい! おまえら! なぜ一歩下がるんだ! 相棒の言葉が聞けるチャンスなんだぞ!」
「団長、そう言いましても……」
「まったくおまえらは……。しかしその前に迷い人様には、二つの事件を解決するご協力をお願いしなければ」
「二つの事件、ですか?」
そこで初めて知ったのは、あの最終試合でキールくんに薬を盛られた可能性があるということだった。あの異常な暴れっぷりの原因が薬だったとは。しかも飲まされたものも、はっきりわかっていないらしい。
「なので、キールが何を飲まされたのか。また飲ませた犯人を覚えているのかをお聞きしたいのです。ご協力お願いできますか?」
「もちろんです!」
今は元気にしているけど、そんな怪しい薬を飲まされていたら、今後後遺症が出てくることだってあるかもしれない。早くその薬を特定して、安全か確かめてあげなくちゃ!