竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
「それが私がこれを拾ったと同時に、ライラ・ロイブはあの場からいなくなったんです。ですから誰か共犯者がいるかと……」
「おそらくギークだろうな」
竜王様のその言葉に誰も反論しない。団長さんはつらそうな顔をして、一人の騎士に何か指示を出すと、竜王様の前にひざまずいた。
「竜王様、申し訳ございません。この事件、すべて私の監督不行き届きです。処分を受ける覚悟ではありますが、その前に、この事件の捜査をさせてもらえないでしょうか?」
「ああ、この件に関しては、俺の不備も多い。それにまずは王宮の警備の見直しに力を入れ、リコを守らねばならん。引き続き団長であるおまえが、指揮を取るように」
「は!」
緊迫した雰囲気で話が進み、そこにいる誰もが暗い表情になっている。するとそんなピリピリした雰囲気をものともしない、明るい声が飛び込んできた。
『思い出した!』