竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
(だから、思い切って卵くんに報告しよう!)
私はドキドキする胸を落ち着かせるように、すうっと深呼吸をすると、一気に言葉を吐き出した。
「私、あなたのママになる覚悟を決めたわ!」
『えええ! ほ、ほんとうに?』
「本当よ! 私今日ね、きゃあっ!」
卵くんのママになる宣言をした直後、バンと大きな音を立てて窓が開いた。バサバサと分厚いカーテンがなびいていて、どうやら強風で開いたようだ。
「もしかして……!」
窓が開いたのは、さっきから風が強かったし、鍵を締め忘れていたからだとわかっている。それでも私はあることが気になって、開いた窓に急いで駆け寄った。