竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
「リディアさん! 私迷い子じゃないかもしれないんです。それにたとえ迷い子だとしても、何もこの国に貢献できる能力はないと思います!」
リディアさんは突然話し始めた私を見て、目をパチパチさせて戸惑っている。しかしひるんではいられない。私は彼女の手をぎゅっと握ると、再び話し始めた。
「私に侍女を付けるのは贅沢すぎます。むしろ私がこの王宮で働くことはできませんか?」
「ま、迷い子様が働く……ですか?」
リディアさんにとってこの提案は予想もしてなかったのだろう。目を大きく見開き、どう答えていいか迷っているようだ。
「はい! 王宮で無理なら、どこか別の場所でも良いのですが。でもこの世界の常識などを知らないので、できれば平穏に働けるよう指導してもらえると助かります!」