竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
竜王様は事前にヒューゴくんの事情を知っていたようだ。少し戸惑った顔をしている。
「……いいのか?」
「はい! もちろんです! ね! ヒューゴくんも私の専属になりたいよね?」
『えっと、えっと……』
私やヒューゴくんみたいに、まわりの気持ちばかり考えてしまうタイプは、自分からは欲しい物を選べない。つい残り物でいいやと、あきらめてしまうんだ。だからちょっと、強引にいかせてもらいます!
「じゃあ、他の竜にしたほうがいい?」
『……だ、だめです! 僕があなたの専属になります!』
「よし! 決まり! これからよろしくね!」
そのあとは、申し訳ないが他の竜たちにはお礼を言って、帰ってもらった。残ったヒューゴくんは、心なしかモジモジしているように見える。すると一部始終を見ていた騎士団長さんが、感激した様子でこちらに駆け寄ってきた。