竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
「酔い止めの効果がある木の実だ。竜車に初めて乗る時は、酔うヤツも多いんだ。だから今日はこれを必ず寝る前に飲んでくれ」
「そうなんですね! わかりました!」
そう約束すると、竜王様も安心したように笑った。しかし王宮に帰ってから、部屋に入る時にも「忘れるなよ? 寝る前じゃないと効かないからな」としつこい。
「そんなに酔うのかな?」
寝る準備をしながら、やや不安になって木の実を手に取る。
(竜車ってことは飛ぶのよね。そう考えると意外と風とかで揺れるのかも!)
さすがにお仕事で行くのに、私が竜車酔いになっては意味がない。さっさと寝て、体調万全にしなくちゃ。私はあわててベッドに入った。