竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
24 リコの名声
「ふわあ〜よく寝た……」
カーテンを開けると、清々しいほどの快晴だ。なんという絶好の旅日和! その澄み切った青空に自然と鼻歌が出てしまうくらい浮かれた私は、すぐに身支度を始めようと振り返った。すると部屋に妙な違和感を感じ、思わず足を止める。
「……あれ? コップが片付けられてる。リディアさんかな?」
私が以前気絶して倒れたので、この部屋の鍵はリディアさんも持っている。もしかして今日の荷作りをするために、寝ている間に入ったのかもしれない。でも違う人だったら怖いな。すると私が朝食を終えた頃、リディアさんが部屋を訪ねてきた。
「おはようございます。リコ。体調はよろしいですか?」
「リディアさん、おはようございます! 体調は良いですよ! それとちょっと質問なのですが、昨夜私の部屋に入りました?」
私がそう質問すると、リディアさんは、ほんの少し戸惑った顔をしたあと、恥ずかしそうに返事をした。