竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


「大丈夫です! 竜王様からの指示ですから」
「そうなんですか?」
「はい! リコに迷い人としての能力が現れたでしょう? なのでこの機会に竜王様と同じ尊い存在なのだと、各地に示そうとのことです。前回の迷い人様も、そうして赤の衣をまとったそうですよ」


「で、でも女性たちの反感が――」
「それも大丈夫です!」


 今日のリディアさんは、すごくテンションが高い。私の言葉に食い気味で話すことなんてないのに、なんだか目もギラギラとして、すごく興奮している。


「昨日、騎士団の方々がリコに忠誠を誓ったことは、城だけじゃなく貴族にも、そのうえ街にも広まっています。特に騎士団長が忠誠を誓うのは王族だけなのですから、これは大ごとだと、リコを尊敬の眼差しで見ていらっしゃいますよ!」

「そうなんですか?」
「はい、あの場にいなかった騎士たちや、地方の騎士団からも、リコへの面会が殺到しています」

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