竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
「リボン、きつく締めすぎましたか? 苦しかったら緩めますけど」
「だ、大丈夫です!」
(あぶなかった。でも私って無意識にお腹をさわってるのかも。今日から二日間、竜王様も日中ずっと一緒だし、気をつけなきゃ!)
胸に手を当てほうっと息を整えると、ふとサイドテーブルに置いてある、もう一本のリボンが目に入った。私の腰に結んであるのと、同じものだ。
「リディアさん、このリボン貰えますか?」
「もちろんいいですけど、どうするのですか?」
「ふふふ。秘密です」
(喜んでくれるといいな……)
このリボンをもらった相手が嬉しそうにしてくれるのを想像していると、扉がノックされ、シリルさんの入室の声が聞こえてきた。入ってきたのはもちろん、シリルさんと竜王様だ。