竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
「ヒューゴくん、おはよう! 昨日は私の専属になってくれて、ありがとう!」
『……夢じゃなかったんですね。僕、朝になったら、夢から覚めるだろうと思ってました』
「よし! そんなあなたに、とっておきのプレゼントを持ってきたからね!」
『プレゼント?』
そう言って私は、ポケットから赤いリボンを取り出すと、ヒューゴくんの首に結びつけた。これで気にしている赤い痣も見えないし、なにより赤い蝶ネクタイ姿になったヒューゴくんは、予想以上にかわいい! 人目がなかったら、地面に這いつくばって、身悶えていたくらいだ。
「私の専属竜という証のリボン! 今日の私と同じリボンだよ!」
くるりと背を向け私の腰のリボンを見せると、ヒューゴくんは目を大きく見開き、爪先でちょんちょんと自分の首元をさわっている。どうにかリボンを見られないかと首を右に左にかしげたあと、私に向かってペコリと頭を下げた。
『ありがとうございます。痣も隠れて嬉しいです……』