竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
リディアさんが竜王様に注意してくれ、ようやく隣に隙間を開いた。さっきまでの態度は新手のからかいなのだろうか。竜王様はお茶を飲みながらも、口元が笑っている。
(もう! 人騒がせな……!)
私だって、竜王様がからかっている時は、睨んだり言い返したりもする。だけどこのタイプのからかいは、男性に免疫がない私には、ただただパニックになるだけ。
結局次の依頼地に着くまでの間、竜王様はちょこちょこと甘い態度を出しては、リディアさんに怒られていた。