竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
「卵くん、寝ちゃったの?」
昨日あたりから卵くんの寝る時間が、多くなっている気がするけど大丈夫かな。まあ、でも卵くんに頼るのも違うよね。私はお腹をさすっていた手を離し、パンと頬を叩き気合いを入れた。
「自分で決めなきゃ……!」
私の悪い癖だ。揉め事が苦手で、どうしても強く言えない。パニックになって、言葉が出てこないのだ。それで我慢してきたことばかりだったのに。
「よし! 明日、無理やり行って、私も選定を受けさせてもらおう!」
場所も時間も選定を受ける者にしか、教えてもらえないから、明日リディアさんに言ってみよう。そう決めたのなら、早く寝ないといけない。儀式は朝からだ。私はまだ眠くない目をぎゅっと瞑り、毛布をかぶった。