竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
「どうですか? どう見えてますか?」
もしこの文字も自動翻訳されるなら、これから働くのにすごく便利で助かるのだけど。私がドキドキして待っていると、竜王はその紙を見ながら眉間にしわを寄せ、ため息をついた。
「……いや、これはまったく見たことがないな。違う国の言葉か、それとも落書きか? 一体なんて書いたんだ?」
「ら、落書きじゃないです……。私の名前は橘莉子ですと書いたのですが、駄目でしたか」
すると竜王から紙を受け取ったシリルさんが、私の書いた文字を見て興味深そうにしていた。目がらんらんと輝いているのを見ると、彼は学者タイプなのかもしれない。
「面白いですね。リコ様は戸惑わずにスラスラとこれを書きましたから、落書きではないでしょう。何か規則性も感じますし、この文字なんてまるで絵だ」