竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜

 背筋が寒くなるようなその視線に、今までの私だったら竜王様の影に隠れたくなったと思う。


 でも私は絶対に目をそらしたくない。


 彼女は私も私の息子も、殺そうとした人だ。あなたがその罰を受けるように、私も王妃になる人間として、しっかりと見届けてみせる。


「連れて行け」


 竜王様の冷たい声が響き、縛られた二人が引っ張られるように部屋から連れ出される。


「いやよ……そんな、こんなこと絶対にいや……! あああ……」


 これが私の見る、最初で最後の処罰であってほしい。私はそう願いながら、アビゲイルが出て行った扉をじっと見つめていた。



「それにしても彼女は私が死んだ後に、他の女性が運命の花嫁に選ばれたら、どうしていたのでしょうか」


 リディアさんが入れてくれたリュディカを飲みながら、ふと疑問に思ったことを口にした。何気なく聞いたことだったけど、答えは意外なものだった。

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