竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
34 リコがこの世界に来た意味
「リコ様、本日はご結婚おめでとうございます!」
にっこりとほほ笑むリディアさんの笑顔に、私まで嬉しくなってくる。
(そう! 今日はとうとう、私とリュディカの結婚式!)
あれから何回も練習させられ、ようやく竜王様の名前を呼び捨てで呼べるようになってきた。そのかわりリディアさんたちには「ケジメは必要ですから」と言われ、「リコ様」と呼ばれるようになってしまった。残念。
「ドレスも良くお似合いですよ」
「ふふ。でもリュディカには肌を見せすぎだって、最後まで反対されちゃった」
「まあ! 肩だけですから、夜会のドレスと同じくらいの露出ですのに」
鏡に映る私のドレスは、憧れのプリンセスラインだ。ウエストでふわっと大きく広がって、思いっきりお姫様気分が味わえるあのドレス!
胸元はビスチェスタイルで、肩を大きく出している。そしてもちろん、王族だけの護符の模様がこれでもかと、胸から膝辺りまでグラデーションのように入っていた。そして色はもちろん赤。この国で私とリュディカだけが着られる色だ。