竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
「リコ! 体調は大丈夫ですか!」
「えっ? だ、大丈夫ですけど……?」
いったいどうしたのだろう? シリルさんだけでなく、後ろにいるリディアさんも顔を真っ青にして私を見ている。
「本当に? 目はちゃんと見えてますか?」
「目? は、はい。もちろん見えてますけど……」
「……もしかして、これが迷い子様の力なのでしょうか?」
シリルさんは私の体調に変化がないことに、目を丸くして驚いている。竜王様も「そういえば、リコは平気だな」と呟き、私の顔をまじまじと見ていた。