竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
「竜王様の竜化した姿は、平民だと威圧がすごくて体調を崩してしまうのです。リコは竜人でもないですし、そのうえ異世界から来ていますから心配しました。本当に気分は悪くないですか?」
「大丈夫です。むしろもっと見ていたかったくらいで……」
「そうですか……」
シリルさんは安心したようで、ホッと息を吐いていた。リディアさんも「良かったです」と言って、私の背中をさすっている。二人とも本当に心配してくれていたようだ。
「竜王様を前にしても平気そうでしたから、竜の気に耐性があるとは思っていたのですが。竜化した姿にも体調を崩さないどころか、もっと見ていたかっただなんて。やはり、リコは迷い子様なんでしょうね」
「そういった細かいことは、文献には書いてなかったからな。このことも何かの役に立てばいいが……」
「そうですね。しかし竜人なら、みな似たような体質ではありますし……」