竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
ひとつ私の体質で良いところは見つかったけど、やっぱり特に役立つものじゃないみたいだ。それでも迷惑をかけないようならまだマシね。元気があれば、働けるもの!
「それにしても竜王様が姿を変えると、飼育している竜たちが怖がります! 今頃竜舎にいる子たちは怯えているでしょうし、訓練中だったらパニックになって、騎士が怪我をしているかもしれません。きっと今頃様子がおかしいと騒いでいるはずです」
シリルさんは大きなため息をついて、竜王様を睨んでいる。どうやらさっきの竜化で仕事が増えたようだ。それでも当の本人は「たるんだ士気を高めるのにちょうどいいじゃないか」と言って鼻で笑っているけど。そんな様子を呆れ返った顔で見たあと、シリルさんはこちらを振り返った。