竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
履歴書でも作ってくれば良かっただろうか。私は信じてもらえるよう、こちらに来る前のファミレスの仕事内容を話し始めた。
時々「ハ、ハンディってなんだい?」「ドリンクバーの清掃……いや、ドリンクバーって?」と疑問がわいたようだけど、私の仕事への熱量は十分伝わったようだ。食堂のご主人も「よくわかんないけど、働きたいのは伝わったよ」と言って、ようやく納得してくれた。
「なら、ホールで食べ終わってるお皿を片付けてくれる?」
「わかりました!」
今は昼時を過ぎているせいか、食事をしている人はいない。食べ終わった食器だけがテーブルに残っていたので、早速片付けることにした。ふと横を見るとリディアさんも手伝ってくれている。
「リディアさん、私の仕事なのにすみません!」
「大丈夫です。私もしばらくは一緒にここで働きますから」
(う、嬉しい! リディアさんと働けるなんて、なんて心強いんだろう!)