竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
08 騎士からの嫌がらせ
「おい! 聞いてるのか!」
「きゃっ!」
無視されたと思ったのか、男は苛立ちをぶつけるように私の手を乱暴に引っ張った。力いっぱい掴まれたせいか、ビリビリとした痛みが腕に走る。
「い、痛……っ! ちょ、ちょっと待ってください!」
(どうして? 私、騎士の方からも命を狙われてるの?)
たしかこの人には竜王様が直接、手荒な真似をするなと注意していたはず。それともまだ私のことを不審者だと思っているのだろうか。そういえばさっきも私がここに無断で入ってきたと言ってたような……。それならちゃんと説明すれば、わかってくれるかもしれない!
「ここには正式に竜王様の許可を取って、働かせてもらっています! 無許可ではないので安心してください!」