竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
(それにしても、リディアさんは何者なんだろう? あの二人があんな態度を取るってことは、ただの侍女じゃなさそう)
そんなことを考えながらお皿を洗い場に持っていくと、食堂のご主人がニコニコと笑いながら近づいてきた。恰幅の良い、いかにも美味しそうな料理を出しそうな彼は、なんだかすごく嬉しそうだ。
「やあ、リコ! 最初はどうなるかと思ったけど、予想以上に働いてくれて助かったよ!」
「本当ですか! ありがとうございます!」
「明日からまた昼に手伝ってくれるかい? 片付けだけで大丈夫だから」
「わかりました! 明日からも頑張りますね!」
「あはは! リコは明るくていいね。俺のこともリドルと呼んでくれ」
「はい! リドルさんですね! よろしくお願いします!」
私が元気に返事すると、リドルさんはまたハハハと笑った。最初に会った時とは大違いで、どうやら私を認めてくれたみたいだ。