竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
リドルさんから聞いた情報で、私はさらにガックリと肩を落とした。きっとあそこにいた女性たちは竜王様の目に止まろうと、当日だけじゃなく何日も準備したはず。家族総出で竜王様に見初められるために、年頃の娘たちに……と、そこまで考えて、あることにハッと気づいた。
(ギークが言っていた『妹たちの邪魔をした』というのは、きっとこのことだわ! あの場にお妃様候補として、彼の妹さんたちがいたのでは?)
そう考えると、彼が怒っている理由と辻褄が合う。あの日にかけていたのなら、私は思いっきり邪魔しているもの。自分ではどうしようもできなかった事だと頭ではわかっていても、ため息が出る。するとリディアさんがそっと私の背中を撫で、優しく話しかけてくれた。
「リコ、パーティーはまた開きます。昨夜より盛大にすれば、みなさんあっという間に忘れますから」
それを聞いたリドルさんは「おっ! じゃあ俺も頑張らないとな」と言って笑っている。