竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
『別に用事がなくてもいいだろう? リコがいた世界の話を知りたいのだから』
たしかに私の日本での生活はそこまで話してなかった。私が「異世界ってすごいな〜」と違いを楽しんでいる時があるように、竜王様も私の話を知りたがってもおかしくない。
「そんな面白い話じゃないかもしれませんし、説明しにくいこともあると思いますがいいですか?」
『ああ、リコがどんな生き方をしていたか、知りたいんだ』
「……じゃあ、話しますね」
その含みをもたせた言い方に、ほんの少し胸の奥がうずいたけど、私は知らないふりをして話し始めた。
「そうですね……何から話せばいいでしょうか?」
日本のことを話そうにも、どこから伝えればいいのかわからない。少し考え込んでいると、竜王様が意外なことを話し始めた。